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佐伯祐三生誕120年記念シンポ+街歩き。 [気になる下落合]

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 去る5月13日(日)の正午から、落合第一地域センター3Fの集会室で「佐伯祐三生誕120年記念」の講演シンポジウムと、地域センターを起点に下落合(現・中落合/中井を含む旧・下落合概念)東部に点在する佐伯祐三Click!描画ポイントClick!のほんの一部を回遊する、下落合の美術街歩きをご案内をさせていただいた。あいにくの雨にもかかわらず、街歩きの資料やマップが不足するほど、会場にはたくさんの方々が詰めかけてくださった。ありがとうございました。>参加されたみなさん。
 会場や街歩きで、ご挨拶させていただいた方々には、こちらでもおなじみの清水多嘉示Click!のお嬢様である青山敏子様Click!山口長男Click!のご子息である山口道朗様(山口様には貴重な資料をいただいた)、三岸好太郎・三岸節子アトリエClick!の保存をめざす中野たてもの応援団の塚原領子様、鈴木良三Click!の弟子で医師でもある画家の野口眞利様、松本清張Click!ばりのミステリーを書かれる高名な作家の方、児童文学の語り部の方、和のコンセプトで下落合・目白の街歩きをされているプロデューサーの方(一家でお越しくださった)、お父様が目白福音協会Click!に付属していた英語学校の中で日本語教室を主宰されていた方、有名な佐伯の書籍を出版されている著者の方々、美術家の方、地元・下落合にお住いの方々……など、多彩な人たちがおみえだった。
 また、この催しを企画してくださった、中村彝生誕130年記念パーティーClick!以来お世話になっている、元・新宿区議の深沢利定様と根本二郎様、新池袋モンパルナス「街のどこもが美術館」のプロデューサーである小林俊史様、そして吉住新宿区長に佐原新宿区議会議長(佐原様とは彝アトリエで少しお話させていただいた)、地元の町会関係の人たちなど、下落合でこれだけの方々がそろった佐伯祐三がテーマの催しは、おそらく佐伯祐三の歿後初めてではないだろうか? 米子夫人の実家・池田家で、夫人の歿後に遺品整理にも参加されている、つい先ごろ亡くなられた池田家の最後の証言者の方が不在なのは、非常に残念なことだった。佐伯の「制作メモ」Click!について、詳しくおうかがいする機会を逸してしまったままだ。
 わたしは教師ではないので、文章を書くのは好きだが大勢の人前でお話をするのが苦手なため、講演会は美術家の平岡厚子様Click!からの問いに答えるかたちで、対談シンポジウムのような形式で進めさせていただくことにした。いつだったかか、炭谷太郎様Click!のご紹介から慶應義塾大学Click!で開かれたシンポジウム(ゼミ)に呼んでいただき、そこでお話をさせていただいたのと同じ形式だ。平岡様は豊島区に在住の方で、地元各地に点在するアトリエ村Click!に集った画家たちを深く研究され、ご自身も現代美術のインスタレーション作家であり、教え子を抱えるデッサンの教授でもある。シンポジウムは予定時間(60分)をはるかに超え、わたしが微に入り細に入り詳細かつムダにしゃべりすぎたせいだろうか、1時間30分もかかってしまった。(汗)
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 プロジェクターで投影した、シンポジウム用のpptxファイルは、多数の作品画像や写真を用いたため111ページ(72MB以上)と膨大な容量であり、さすがにWebサーバへアップロードするのはためらわれるので、街歩きマップと街歩き資料のみをダウンロードできるよう設定させていただいている。当日、街歩きが雨の中で行われたため、マップや資料を濡らしてしまった方も少なくない。下記より、ダウンロードしていただければ幸いだ。
 下落合街歩きマップClick!(313KB)
 下落合街歩き資料Click!(7.12MB)
 街歩きは、資料には記載されていない場所も含め、以下のコースで実施させていただいた。下落合の佐伯祐三について現在判明している最新情報とともに、1930年協会Click!の画家たちを含めた、かなりマニアックな街歩きとなってしまった。
  
 今村繁三(画家たちのパトロンで今村銀行頭取)の終焉邸跡→第三文化村跡(不動谷/西ノ谷と青柳ヶ原)→吉田博アトリエ跡→青柳辰代(佐伯が「テニス」をプレゼント)邸跡→「八島さんの前通り」描画ポイント→木星社(福田久道邸)跡(特に青山様へ)→笠原吉太郎アトリエ跡(小川邸の門跡)→西坂・徳川義恕男爵邸跡(遠望)→東大総長の南原繁邸跡(遠望:特にミステリー作家の方へ)→八島邸跡→「八島さんの前通り」(北側からの描画ポイント)→鶴田吾郎アトリエ跡(遠望:関東大震災前)→佐伯祐三アトリエ(休憩)
 佐伯アトリエ→森田亀之助邸跡→里見勝蔵アトリエ跡→蕗谷虹児アトリエ跡→曾宮一念・佐伯祐三・清水多嘉示のトリプル描画ポイント(諏訪谷の北側)→曾宮一念アトリエ跡→セメントの塀痕跡→牧野虎雄・片多徳郎・村山知義・村山壽子アトリエ跡→高嶺邸(佐伯「セメントの塀」のモチーフ住宅)→「曾宮さんの前」描画ポイント(諏訪谷を南から)→「散歩道」描画ポイント(久七坂筋)→小林邸(遠藤新設計創作所による近代建築)→「見下シ」描画ポイント(池田邸跡)→「墓のある風景」描画ポイント→大正時代のアトリエ村ともいうべき鶴田吾郎・鈴木良三・鈴木金平・有岡一郎・服部不二彦・柏原敬弘アトリエ跡(下落合800~804番地)→タヌキの森(前田子爵邸の移築建築)跡と明治建築→夏目貞良(亮)アトリエ跡→九条武子邸跡→満谷国四郎アトリエ跡→三輪善太郎(ミツワ石鹸社長)邸・衣笠静夫邸跡(遠望:長谷川利行コレクション)
  
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 森田亀之助の旧邸跡・伊藤博文別荘跡(大倉山=権兵衛山)→相馬孟胤子爵邸跡=おとめ山公園(雨で休憩予定を中止)→竹久夢二アトリエ跡→林泉園と東邦電力住宅地跡(清水多嘉示の描画ポイント)→中村彝「目白の冬」その他の描画ポイント(一吉元結工場跡)→中村彝アトリエ(休憩)
  
 ……と、ここまできて雨が強まり、残り3分の1を残して街歩きは中止となった。残りのコースに興味がおありの方は、マップと資料をベースに後日、天気のよい日に歩いていただくということで解散。このあとは、林泉園つづきの谷戸=御留山(清水多嘉示「下落合風景」の描画ポイント)→安井曾太郎アトリエ跡→近衛篤麿邸跡→目白ヶ丘教会(遠藤新最後の設計作品)→近衛町(遠望:学習院昭和寮など)→近衛邸車廻し跡→夏目利政アトリエ跡→近衛文麿・秀麿邸跡→熊岡美彦アトリエ跡→伊藤応久アトリエ跡→佐伯が利用していた目白駅(地上駅)跡とめぐる予定だった。
 資料に記載した残りのポイント以外にも、松永安左衛門(東邦電力社長)邸跡、ヴァイニング夫人(平成天皇の家庭教師)邸跡、近衛町に残る1923年(大正12)築の藤田邸、学習院建設で遷座した八兵衛稲荷(豊坂稲荷)、エレベーター設置で消滅寸前の旧・目白駅のコンクリート階段……などなどの前を通過する予定だったので、そのエピソードともどもご紹介するつもりだったが、天候が許さずとても残念だ。立ち寄りポイントの詳細は、拙サイトで検索して参照いただければ幸いだ。
 また、今回は「美術」がテーマの街歩きだったので、文学や音楽の事績はほとんど省略させていただいた。特に文学に関していえば、下落合(現・中落合/中井含む)の東部・中部・西部、そして上落合と、講演や街歩きをテーマ別に3回実施しても、まだぜんぜん足りないぐらいだろう。それだけ、明治・大正・昭和を通じて夏目漱石から船山馨まで、新感覚派からプロレタリア文学、新戯作派、そして戦後文学まで近代文学史のエピソードにはこと欠かない、作家や文学者たちの宝庫なのが落合地域のもうひとつの“顔”だ。
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 今回は、下落合東部に散在する佐伯祐三の描画ポイントと散歩コースClick!、ならびに画家たちのアトリエ跡や描画位置をマニアックにめぐったが、実は佐伯に関していえば下落合西部(現・中落合/中井地域)の描画ポイントのほうが多いし、画家たちのアトリエは下落合西部も東部に劣らずたくさん散在している。もしこのような機会が再びあれば、今度は目白文化村Click!アビラ村Click!を中心に回遊する街歩きをやってみたい。ただ、街歩きも含め3時間をゆうに超えるプレゼンテーションは仕事上でも経験がなく、さすがに声も嗄れてクタクタになってしまった。w 早くこのような行事に、サーバと連携したRPAシステムやウェアラブルデバイスClick!が、活用できるようにならないかなぁ?

◆写真上:あいにくの雨の中、第三文化村を歩く街歩き参加者たち。(撮影:根本二郎様)
◆写真下:当日、プロジェクターで投影したpptxファイルの一部。(制作:平岡厚子様)

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