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春の怪談。 [気になる下落合]

 以前、このサイトで冬の怪談Click!として、下落合は近衛町界隈の不可解な現象を書いたけれど、またぞろ同じような時期に、違うエリアから似たような話が聞こえてきた。今度は、例の近衛邸内にあった大木の南側からだ。怪談好きのわたしとしては、これを書かずにはいられない。
 上落合には、民俗学的に言えばさまざまな「フォークロア」、すなわち戦前戦後を通じて口承伝承された幽霊話が伝わっているようだけれど、下落合ではこの手の話を聞くことが少ない。下落合はむしろ、大蛇(おろち)やガシャ髑髏といった妖怪変化が登場する伝説話が多い。タヌキが多いせいだろうか? 怪談話のフォークロアが少ないところは、コミュニティ(共同体)としての意識が薄い・・・というような言説をどこかで読んだ憶えもあったりするので、わたしはせっせと下落合の怪談話を集めてみたいと思っている。
 「絶対、誰かがもうひとり、部屋の中にいる」・・・と、彼は感じているそうだ。家の白熱灯を、いくら明るくしても明るくならない。現象は、そのあたりから始まった。トイレの電球は60Wのはずなのに、その半分の明度しか感じなかった。あまりに不自然に暗すぎるので、フィラメントの不具合かと100Wの電球にしてみて驚いた。やはり、半分ぐらいの明るさにしかならなかったのだ。電気工事のミスかと思い調べてみたが、どこにも異常がなかった。
 彼の部屋でも、次々とおかしな現象が起きている。夜、パソコンに向かっていると、目のすみで動くものがある。そちらへ気を集中させ横目で探ると、どうやらベッドの枕が動いているようだ。ハッと思ってそちらを向くと、別に枕は動いていない。枕を持ち上げて調べてみるが、別に異常はない。ネコなどペットを飼っているわけではないから、どこか外からネズミかハクビシンでも入ってきたのかと思い、つい枕を持ち上げてしまったそうだ。不可解に思いながらも、パソコンの前にもどった彼は、今度は飛び上がってしまった。枕がベッドから放り出されたように、手前に落ちてきたのだ。
 
 壁へ斜めに立てかけてあるバッグが、手前に向けてバタンと倒れたこともある。壁に立てかけたまま、ズルズルとずり落ちるのなら、物理の法則通りでなんら不思議はない。それが、110度ほどの角度を残した手前に倒れたのだ。また、デスクに向かっていたら、書棚から本が飛んできたこともあったそうだ。地震でも、本棚にぶつかったわけでもないのに、本がいきなり水平に飛び出した・・・と思ったそうだ。本の落下地点は、書棚からかなり離れた位置だったとか。まるで、三流のホラー映画のようだが、本人の性格はいたってマジメ、すべて実際に起きた事実だという。
 以前にも書いたけれど、いずれも不可解な現象ばかりだが、彼がノイローゼになって幻覚や幻聴に悩まされている…とは、どうしても思えない。他の証言者もそうだが、彼もいたって健康に見えるフツーの人物だ。

 きょうも道のまん中に取り残された、そろそろ注連縄が替えられる近衛邸の大木は、春めいた風に大きな枝をかすかにそよがせている。

■写真上:旧・近衛邸の玄関前、車寄せにあった深夜の大ケヤキ。1936年(昭和11)と、戦後の1947年(昭和22)の空中写真にも、空襲で焼けずにしっかり写っている。
■写真下:「呪いの木」の周辺では、磁石が真北を指さないエリアがある。


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